~バンコクへの旅~

後編《いよいよ席入り》

そして迎えた当日。街の電光掲示板の気温はすでに35度。熱風と騒音をくぐり抜け足早に伊勢丹へ。
ほぼ埋まった予約台帳を確認。どんなお客様とお会いできるのか、満足して頂けるのか、そんな期待と不安を胸に準備開始。
友人の店で働くタイ人スタッフの心強い協力も得て、設営、お菓子の仕上げ、通訳との打合せ等々、着々と準備が進みます。
午後1時、いよいよお客様の席入り。1日5席、1席6名。

ちょうどこの数日前に東京から桜が満開の便りが。まずは桜湯でその気分を。ほどよい緊張の中、点前も始まります。この日のために日本から持参した掛物は藤娘。実は前編で紹介したタイの国花ゴールデンシャワーとは同じマメ科の花。表装にもジムトンプソンのタイシルクを使っています。自信作の「隅田川」もお口に合ったようで皆さんとても喜んで完食。日本が誇る四季、その四季折々の茶碗でお茶一服点てて差し上げました。

一服楽しんで頂いた後は、体験コーナーに移動。初めてお茶を点てる方も多かったようです。茶席とは種類の違うお茶を用意していたのですが「お茶違いますよね?」と敏感に反応。さすが日本通!沢山の鋭い質問には社中の皆さんも答えに困ったのでは?

今回どの席でも必ず聞かれたのは「お湯は何度ですか?」。こういった質問が出るというのは、皆さんお家でもお茶を点てて飲みたい、という強い気持ちがあるのですね。実際に今回いらしたお客様の多くが日本に旅行経験のあるタイの方ばかり。日本の事を大好きでいてくださり、熱心に話を聞いて楽しんでくださったようです。

2日間で60名程のお客様をお迎えし無事にバンコクでの茶会は幕を閉じました。
異文化の空気の中に身を浸し、我らが誇る自国の文化を紹介する、なんとも言い尽くす事の出来ない経験をさせていただきました。これを機にこれからもお茶を片手に世界を回ってみたいものです。

「旅はコーヒーみたいなもの」うーん、あらためて納得。新調したスーツケースがもう次の旅を待っているようです。
次はヨーロッパかも?近々ご報告させていただきます!

2016/08/25